マニュアル / 用語集 · REF 05

Clash 用語集:プロキシプロトコル・振り分けルール・クライアント機能の用語解説

このページには、Clash クライアントの利用・設定でよく登場する用語23件を、5つの分類ごとに番号を振って収録している。各項目には定義・役割・関連概念を記載。設定エラーが出たとき、チュートリアルの内容が分からないとき、FAQ に見慣れない言葉が出てきたときは、このページで確認できる。

01

プロキシプロトコル

分類 / プロトコル · 5
PR-01

Shadowsocks

SHADOWSOCKS / SS

対称鍵暗号方式をベースにした軽量なプロキシプロトコル。構造がシンプルでハンドシェイクのオーバーヘッドが低く、性能の低い端末にも優しい。Clash の各コアで標準サポートされており、サブスクリプションでは ss タイプとして記載されることが多い。多くのサブスクリプションでは他のプロトコルと混在して提供される。

PR-02

VMess

VMESS

V2Ray プロジェクトが定義した伝送プロトコル。認証はクライアントとサーバーの時刻同期に依存し、端末の時刻に約90秒以上のズレがあると接続に失敗する。WebSocket や gRPC など複数の伝送レイヤーを組み合わせられ、偽装方式の自由度が高い。

PR-03

Trojan

TROJAN

プロキシ通信を標準的な TLS 通信に偽装するプロトコル。有効な証明書と 443 番ポートに依存し、外部から見ると通常の HTTPS アクセスに近い特徴を持つ。設定項目は少なく、主なパラメータはサーバーアドレス、ポート、パスワードのみ。

PR-04

VLESS

VLESS

VMess の後継として設計された軽量プロトコル。内蔵の暗号化レイヤーを排除しており、単体では機密性を提供しないため、TLS や Reality などの外側の暗号化と組み合わせる必要がある。オーバーヘッドが小さく、比較的新しいサブスクリプションでよく見られるタイプで、mihomo コアのサポートが必要。

PR-05

Hysteria2

HYSTERIA2 / HY2

QUIC をベースにしたプロキシプロトコルで、パケットロスの多い回線向けに最適化されている。独自の輻輳制御により弱い通信環境でもスループットを維持できるが、その代償として帯域を多く使う場合がある。UDP で通信するため、UDP がブロックされたネットワークでは利用できない。

02

振り分けとルール

分類 / ルール · 5
RU-01

ルール分岐

RULE MODE

Clash の既定の動作モード。各接続の宛先を設定内のルールリストと順に照合し、上から最初にマッチしたルールでプロキシ・直接接続・拒否のいずれかが決まる。ルールの順序がそのまま優先度となり、上にあるルールが下の同種ルールより優先される。

RU-02

DOMAIN-SUFFIX

DOMAIN-SUFFIX RULE

ドメインの末尾で一致させるルールタイプ。DOMAIN-SUFFIX,example.com,PROXY と記述すると、そのドメイン自体とすべてのサブドメインがマッチする。完全一致の DOMAIN ルールより適用範囲が広く、カスタムルールで最も多く使われる種類。

RU-03

IP-CIDR

IP-CIDR RULE

IP セグメントで一致させるルールタイプで、CIDR 表記を使う。例:IP-CIDR,192.168.0.0/16,DIRECT。宛先がドメインの場合はマッチ判定の前に名前解決が発生し、余計な遅延が生じることがあるため、IP系ルールはドメイン系ルールの後に置くのが通例。

RU-04

GEOIP

GEOIP RULE

IP 帰属地データベースを使い、宛先アドレスが属する国や地域で一致させるルールタイプ。GEOIP,CN,DIRECT は、名前解決の結果が中国本土の IP アドレスになった通信を直接接続させる、最も一般的な最終ルールの書き方。判定の精度はコアに同梱される地理データベースのバージョンに依存する。

RU-05

ポリシーグループ

PROXY GROUP

複数のノードをポリシー単位でまとめるコンテナ。ルールの出口は通常、単一のノードではなくポリシーグループを指し、実際に使うノードはグループ内のポリシーが決定する。代表的な種類:select(手動選択)、url-test(自動速度測定で最速を選択)、fallback(フェイルオーバー)。

03

コアと設定

分類 / コア · 5
CO-01

mihomo

MIHOMO (CLASH META)

Clash Meta プロジェクトを引き継いだオープンソースコアで、プロトコル実装・ルール照合・トラフィック転送を担う。Clash Verge などの GUI クライアントは実質的にこのコアの外側の皮にすぎない。従来の Clash コアと比べ、VLESS や Hysteria2 などのプロトコル対応が追加されている。

CO-02

YAML 設定ファイル

YAML CONFIG

Clash コアが読み込む設定形式で、インデントで階層を表現する。ファイルにはポート、DNS、ノード(proxies)、ポリシーグループ(proxy-groups)、ルール(rules)などのセクションが含まれる。インデントは半角スペースで階層を揃える必要があり、1か所でもずれると設定全体の読み込みに失敗する。

CO-03

サブスクリプション

SUBSCRIPTION

サービス提供者が配布する設定取得用アドレス。クライアントは設定した間隔でこのアドレスにアクセスし、ノードリストとルールを更新する。レスポンスヘッダーには使用済みトラフィック量や有効期限が付与されることが多い。サブスクリプションリンクはアカウント情報と同等の重要度を持つため、公開共有すべきではない。取り込み方法は設定ガイドを参照。

CO-04

ノード

NODE / PROXY

設定ファイルの proxies セクションにある1件のプロキシサーバー情報で、サーバーアドレス、ポート、プロトコル種別、認証情報を含む。ノードは通信の実際の出口であり、ポリシーグループとルールは「どのノードを使うか」を決めるスケジューリング層に過ぎない。

CO-05

Provider

PROXY / RULE PROVIDER

外部リソースを取り込む仕組み。ノードリスト(proxy-provider)やルールリスト(rule-provider)を独立したファイルに分離し、コアが一定間隔で自動的に取得・更新する。利点は、サブスクリプションのノードと自作ルールを分離して管理できること。サブスクリプションの更新が手書きルールを上書きしてしまう心配がない。

04

ネットワーク基礎

分類 / ネットワーク · 4
NE-01

DNS 漏洩

DNS LEAK

プロキシは有効になっているものの、ドメイン名解決のリクエストが依然としてローカルのプロバイダー DNS に直接送られてしまう現象。結果として、アクセス先が解決経路に記録されたり、プロキシ経路に適さない解決結果を受け取ったりする。回避策は、コアの DNS 引き受け機能を有効にする、または TUN モードを使用すること。

NE-02

Fake-IP

FAKE-IP MODE

コア DNS の応答モードの一つ。ドメイン名の問い合わせに対して予約済みセグメント(既定は 198.18.0.0/16)内の仮想 IP を返し、これによりドメイン名と接続の対応関係を構築する。利点は名前解決の待ち時間を省け、ドメイン単位の振り分けがより正確になること。実 IP に依存する一部のアプリは除外リストに追加する必要がある。

NE-03

遅延

LATENCY / RTT

クライアントがテストアドレスへリクエストを送信し、応答を受け取るまでの時間で、単位はミリ秒。数値が低いほど操作の追従性が良いが、遅延は往復速度を反映するだけで帯域幅の大きさとは無関係。同じノードでも時間帯によって遅延は変動するため、複数回の測定結果を参考にすること。

NE-04

UDP 転送

UDP RELAY

プロキシ経路が UDP パケットを転送できる能力。音声通話、オンラインゲーム、QUIC をベースにしたアクセスはいずれも UDP に依存する。プロトコル自体が対応し、サーバー側でも有効になっている必要がある。ノードが UDP に対応していない場合、これらのアプリはカクつきや接続失敗として現れる。

05

クライアント機能

分類 / クライアント · 4
CL-01

TUNモード

TUN MODE

仮想ネットワークインターフェースを作成し、ネットワーク層で端末上のすべての通信を引き受ける動作モード。コマンドラインツールや一部のゲームなど、システムプロキシ設定を読み取らないアプリは、TUN モードでのみプロキシを経由できる。有効化には管理者権限または root 権限が必要。仕組みの詳細はブログの TUN モード解説を参照。

CL-02

システムプロキシ

SYSTEM PROXY

OS に HTTP/SOCKS プロキシのアドレスを登録する仕組み。ブラウザなどシステム設定に従うアプリは自動的にこのアドレス経由で Clash に接続される。従わないアプリには影響しない。適用範囲は TUN モードより狭いが、特別な権限が不要で、デスクトップ版では既定の引き受け方式となっている。

CL-03

混合ポート

MIXED PORT

同一のリスニングポートで HTTP と SOCKS5 の両方の接続を受け付ける仕組みで、設定項目は mixed-port、クライアントの既定値は多くの場合 7890。特定のアプリだけに個別でプロキシを設定したい場合は、127.0.0.1 とこのポート番号を入力すればよい。ポートが既に使用されているとコアの起動に失敗する。

CL-04

遅延テスト

URL TEST

クライアントがノードに対して一括で HTTP プローブを送信し、応答時間を記録する機能。テストアドレスとタイムアウトのしきい値は設定で変更可能で、タイムアウトしたノードは利用不可としてマークされる。テスト結果は手動選択の参考になるほか、url-test 系ポリシーグループが最速ノードへ自動切り替えする際の判断材料にもなる。

NOTE / 関連情報

用語集で分かるのは「それが何か」だけ。具体的な設定手順は設定ガイドを、エラーや不具合の対処はよくある質問を確認してほしい。クライアントを未インストールの場合はダウンロードページからプラットフォームに応じて取得できる。

クライアントを入手DL·711